日本人の公徳心は、残念ながら欧米に比べて甚だ低い。日本の家庭では、子供が庭の草花を摘んだり、植木を折ったりすると手厳しく叱るが、公園その他の所で、共有の草木に対して悪さをしても、見て見ぬ振りをする親が多い。西洋人はこれと反対で、自庭でやったいたづらを叱らない親でも、子供が公園の草花を摘んだり、街路樹の枝を折ったりすれば手厳しく叱るか、あるいはそんなことをしてはいけない理由を、くどくど言い聞かせる。決して見て見ぬ振りはしない。
尾崎行雄『民主政治読本』(昭和22年)、『尾崎咢堂全集第十巻』128頁より。




