立憲政治に政党はつきものである。つきものというよりも、立憲政治は政党がなければ、やっていけない政治である。
・・・わたしはほとんど過去半世紀以上にわたり、あらゆる非立憲的勢力をはねのけて、名実かねそなわる政党政治を実現することに挺身してきた。・・・なんとしても本来の政党をつくらねばだめだと思って、ずいぶん骨を折ってみたが、どうしてもだめであった。政党の形だけはすぐできるが、それに公党の魂をいれることがどうしてもできない。なぜだろうと考えてみた。
思うに、それは日本人の思想感情がまだ封建時代をさまよっているために、利害や感情によって結ばれる親分子分の関係と同型の私党はできても、主義政策によって結ばれ、国家本位に行動する公党の精神は、どうしても呑み込めないのであろう。力をめぐって離合する感情はあっても、道理をめぐって集散する理性がないからであろう。
尾崎行雄『民主政治読本』(昭和22年)、『尾崎咢堂全集第十巻』72頁より。




